7月16日 赤岳〜白雲岳〜黒岳縦走
最近、蝦夷梅雨で毎日よく雨が降っています。今日は一日だけ晴れ間がのぞく予報だったので、山へいってきました!層雲峡から始発バス(6:02)で銀泉台へ。
登山道にはウコンウツギが咲き、右手には山々が連なる雄大な景色が望めます。
第一花園はすっかり雪渓も融けていました。
花はアオノツガザクラなどが咲き始めたばかりなので、これからが本番!といった感じでしょうか。
第二花園は少し雪渓は残っているものの、エゾコザクラやチングルマが咲いていました。
コマクサ平には名の通りコマクサが多く咲いていました。
高山蝶のウスバキチョウも舞っています。
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コマクサ平手前ではコケモモやイワブクロなども多く咲き、目を楽しませてくれます。
次にやってくるのは、結構、急登の第三雪渓。
ここは秋の紅葉が素晴らしい場所。
今時期は、エゾヒメクワガタのブルーとアオノツガザクラの白のコントラストが爽やかです。
その次にやってくるのは第四雪渓!
これがまた疲れた体にはちょっときつい。。。
ですが、ここも高山植物たちが励ましてくれます。
そして、間もなく頂上!
頂上にはウスバキチョウが多く舞っていて、おにぎりをほおばりながら写真のシャッターチャンスをうかがっていましたが、なかなか元気良くて難しい・・・。
しかも、ウスバキチョウの独特の黄色はとれ、白っぽくなっていました。
休憩した後、小泉平へ。
小泉平は6月下旬から今時期にかけて、高山植物がとても美しい時期です。
まさに天上の花畑!
ホソバウルップソウやチョウノスケソウなどは終わりかけていましたが、
エゾタカネツメクサやミヤマキンバイ、キバナシオガマなどは見ごろです。
チョウノスケソウ | ホソバウルップソウ | エゾタカネツメクサ | メアカンキンバイ |
白雲分岐からは白雲小屋周辺の花の様子を見たくて、ちょっと偵察に。
途中でアサヒヒョウモンやダイセツタカネヒカゲ、コヒオドシに出会いました。
アサヒヒョウモン | コヒオドシ | ダイセツタカネヒカゲ |
登山道にはエゾコザクラやエゾノハクサンイチゲ、トカチフウロ、チシマノキンバイソウ、ミヤマキンポウゲなどが咲きみだれ、小屋周辺には他の場所ではなかなか見られない、一風変わった花たちが咲いていました。
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エゾノハクサンイチゲ | チシマギキョウ | リシリゲンゲ |
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クモマタンポポ | チシマノキンバイソウ |
特に登山道に元気な黄色の花々が咲いているのを見ると、こちらまで元気になれそうです。
白雲小屋周辺は霧に包まれ、とても幻想的な雰囲気に。
また、ここは標高の高い白雲岳をバックに、囲まれるように存在し、他の場所より増して静かに感じます。そんな幻想的な場所で一人、花や雄大な景色とゆっくりとむかいあい、なぜか涙が出そうになりました。心の奥が感動したようです。
その後、また白雲分岐まで戻り、北海平経由で北海岳へ。
北海平で見られる花々
エゾオヤマノエンドウ | ヒメイワタデ |
クモマユキノシタ | チシマクモマグサ |
キバナシオガマと烏帽子岳、赤岳の山並み
北海平より北海岳を望む。
北海岳は見た目なだらかに見えますが、だらだらとした登りが続き、息があがり気味になります。。。
でも登りきったときは・・・
北海岳では白いイワブクロを発見!
毎年ここに咲くようです。たくましい!
北海岳から黒岳を望む。
写真中央の犬が寝そべっている後姿のような山容の山が黒岳。あそこまで帰るのか〜と気合を入れなおして、
いざ出発!
北海岳ではチングルマが咲きほこっています。北海岳を降りきると、次は美ヶ原の美しい花畑がまっています。ここには北海沢がキラキラと流れ、その周りには高山植物たちが雪が融けたところから次々と咲き始めています。
美ヶ原を越えると、お鉢平から流れ出す赤石川を渡ります。
水量はさほど多くなく、蛇籠が出ているので渡りやすい状態です。
赤石川を渡ると、またまた感動する景色がまっていました。
エゾノツガザクラやミネズオウ、チングルマ、エゾコザクラがすごいすごい!
どこをどうやって写真に撮っていいのかわからないくらいすごいことに!
30年くらい大雪山に通って写真を撮っているという方にお会いしましたが、その方は「今年はエゾコザクラがすごい!」とおっしゃっていました。
実際、エゾコザクラが鮮やかなピンクで染めている様子は圧巻です。
美ヶ原、赤石川周辺で見られる花々
ハクサンボウフウ | ハクサンイチゲ |
ミネズオウ | エゾコザクラ | エゾノツガザクラとマルハナバチ |
上の一番右の写真にマルハナバチがうつっていますが、これは在来種。
エゾノツガザクラの花が7、8mmくらいなので、そのことからこのハチの大きさは分かるかと思います。
このハチ、小さいので、小さいエゾノツガザクラの花の蜜を頭を突っ込んで吸うことが出来ます。
でも、最近大雪山にまで進出してきた外来種のセイヨウオオマルハナバチはとても大きいので、エゾノツガザクラなどの蜜を吸うときは、花の外側から穴を開けて吸います。セイヨウオオマルハナバチが吸蜜した痕は、ぽっかり穴があいています。
こんなふうに吸蜜することを「盗む蜜」と書いて「盗蜜(とうみつ)」といいます。盗蜜は花粉を媒介しないため、子孫繁栄のため花粉媒介を昆虫たちに託している植物にとってはメリットがありません。
*セイヨウオオマルハナバチは温室トマトの受粉を助けるとして外国からもってきた外来種です。
その温室から逃げ出したハチが大雪山にまで進出してきたというわけです。
エゾノツガザクラ。後ろに見えるのは烏帽子岳。赤石川を渡り、石室に向かう途中で。
石室をこえて、ポン黒岳をのんびりと登っていると、事件が!
去年はほとんど姿を見なかったナキウサギが岩陰から目の前にコロコロッと現れました!!
びっくり!
3,4分いたでしょうか。どうやら仔ウサギのようです。
ぼーっと私の方を見たり、草をもぐもぐ食べたりひとしきり姿を披露して、帰っていきました。
PHOTO・文/Shibataro