7月28日 高原沼めぐり そして緑岳第一花畑へ!

 前から計画していた予定を実行に移しました。
Shibataroさんを赤岳の登山口銀泉台まで車で送り、高原温泉へ移動し、高原沼めぐりをする。その後、緑岳の登山口から第一花畑まで登り、赤岳から緑岳へ縦走して下りてくる彼女と合流して、高原温泉で入浴。時間の打ち合わせはしていなかったのですが、計ったかのように第一花畑でぴったりのタイミングで出会いました。
これは出会った瞬間です。

お互いに逆コースをたどり出会うという計画は初めてですが、二人とも、いつかどこかで確実に会えると思えば、苦しい山道でも喜びと共に歩けるものだということを体験しました。

では、朝の時点に戻って、高原温泉から沼めぐりに出発です。
看板のついている大きなものだけで11の沼があります。1周することもできるのですが、この辺りはクマの生息地になっていて、クマの出没状況によって、その日のコースが決まります。今日は10の沼を巡って引き返すということでした。
沼の入口にヒグマ情報センターがあって、クマを監視するパトロールの人や監視カメラで、ヒグマの行動をチェックして常に情報が把握されるようになっています。沼めぐりをする人には、必ずヒグマの状況と注意事項が説明されます。
さていよいよ足を踏み入れようとすると靴洗い場(小川)があります。それは、外のものを沼の自然に持ち込まないための配慮です。

ヒグマ情報センター 靴洗い場

ゆっくり写真を撮りながら一時間弱で、沼に着きます。それぞれ特徴がありますが、どれも周囲の景色が沼に映ってとてもきれいです。特に空が青ければ言うことありません。
 緑沼
沼だけでなく登山道には川が流れ、温泉も湧き出しています。

川の中の岩場には、フキユキノシタやエゾクロクモソウが咲き、エゾノリュウキンカの名残の花が咲いていました。

フキユキノシタ エゾクロクモソウ エゾノリュウキンカ

道の両脇にはクマの好きなハクサンボウフウをはじめこんな花が咲いていました。更に秋を思わせるコガネギクも多く見られました。

ハクサンボウフウ ヨツバシオガマ ミヤマリンドウ エゾオトギリ
シマノキンバイソウ オオバミゾホオズキ コガネギク

あまり目立たない花ですが、アオチドリやコイチヨウランなども咲いています。スミレ好きの人にはタニマスミレが咲いていることをお知らせします。滅多に見られないギンリョウソウもありました。

アオチドリ コイチヨウラン タニマスミレ ギンリョウソウ

どんどん奥へ行くと大学沼があります。
 大学沼
そして今日のラストは高原沼です。高原沼からは緑岳が見えます。今頃Shibataroさんは何処を歩いてるのかなと思いながら写真を写しました。
 高原沼
ここが折り返しなので、再び大学沼まで戻って来ると、ヒグマ情報センターのパトロールの方が、クマが見えると教えてくださいました。そこに設置されている望遠鏡を覗かせてもらうと、落ち着いた黄土色のような、金色熊とでも言えるようなきれいなクマが草を食べていました。
大学沼の一番上の雪渓の下にいましたが、遠すぎて私のカメラに収めることはできませんでした。自然の中で暮らしているクマと私達が、お互いに害を与え合うことなく共に暮らすためには、食べものや食べ残したものを必ず持ち帰ることです。この辺りの熊は草食で、人を襲って食べるようなことはしないそうです。人が食べているものに味をしめて、人が食べている食べものを欲しがるようになると、その食べものの入ったリュック等が欲しくて、人を襲うようになるそうです。この沼めぐりでは、緑沼と大学沼でしか飲食はしないようにと決められています。これからもずっと山や森の生きもの達と仲良く暮らすために、持って行ったものは必ず持ち帰り自然をできるだけ元の状態にしておくよう心がけましょう。

沼めぐりを終えて、緑岳の登山口に向かいました。高原温泉のこの場所には、大雪山の固有種、地熱の高い所にしかないダイセツヒナオトギリがあります。とても小さく丈は3〜10cmぐらいで見つけるのに一苦労です。

近くにはドロがゴボゴボ湧き上がっている所や湯気が立ち上っている所があちこちにあります。

確かに地面が暖かいです。そのせいかどうかはわかりませんが、この近くに咲いているヨツバヒヨドリの花の色はとても色が鮮やかできれいでした。

この花の間を抜けて、急な登りをあえぎあえぎ登りきると、平に開けた第一花畑です。そして、感動の対面になったわけです。
このトレッキングの最後の締めくくりは温泉です。今日の疲れがすっかり取れて最高の気分でした。温泉はいいですねー。
photo&文:KEI