9月5日 黒岳・ポン黒岳・雲ノ平の紅葉

大雪山は、かつてない早い紅葉とテレビで銀泉台や高原温泉が映し出され、当「リゾートペンション山の上」のオーナーもインタビューに借り出され、朝と夕方放映されるというハプニングもありました。紅葉は早く終わってしまうのではないかという噂も流れたり、層雲峡は大騒ぎです。
 一体どうなっているのかを知りたくて、黒岳に登りました。
黒岳登山道招き岩付近
遠目には順調に紅葉が進んでいるように見えます。毎年写真を撮り続けていると、今までは期待通りのものがそこにあったのですが、今年は少し違います。下の写真は黒岳登山道にあるヤマブキショウマの紅葉です。同じものですが、今年は葉が落ちています。

2006年9月10日 2007年9月4日 2008年9月5日

今年2008年8月26日紅葉していました。
ウラジロナナカマドの葉や実も落ちている所があるというのは赤岳でも黒岳でも同じでした。紅葉には欠かせないウラジロナナカマドなのですが、葉が落ちると黒っぽい赤色になり透けたように見えます。

2007年9月4日 2008年9月5日

でも、実際に目で見て分かったのですが、紅葉が早く始まって早く終わるということではないのではないかということです。よく見ると、ウラジロナナカマドもまだ緑色をしたものもあり、これから時間をかけて紅葉するようです。8月20過ぎに山の上では霜が降りたり気温が0度になったりしたことによって、気の早い植物達が反応して紅葉したものと思われます。自然界はよくできていて、一斉に反応すると絶滅することもあるので、バラけて反応しているのですね。そういう風に見ると、私達が、春の花だと思っているタンポポクサノオウなど今咲いているものもあります。早い紅葉によって、自然界の見方が変わりました。さて、見方が変わった所で、今日の紅葉状況を固定観念をはずしてそのままお伝えします。

黒岳頂上から ポン黒岳
ポン黒岳から 雲ノ平

雲ノ平の紅葉。チングルマもこのように赤く染まりますが、今はまだ緑色のものが多く見られました。

雲ノ平の紅葉(ウラシマツツジとチシマツガザクラ チングルマの紅葉

山が紅葉で赤く染まり始めると、生きもの達が、餌を求めて、私達の前に現れることが多くなります。今日はエゾシマリスが何度も現れて、手で触れそうなところで物思いにふけったり(?)、足元で餌を食べているものもいました。

紅葉が終わってしまうと騒ぐほどではなく、まだまだこれから楽しめる!と喜んで黒岳を下り始めると、逆さ富士?ではなく逆さ黒岳が見えました。
午後4時頃黒岳登山道より
自然界は私達に予期せぬプレゼントをしてくれます。遅い早いと言わず、どうぞ春から秋までいつでも大雪山を訪れてください。お待ちしております。
photo&文:KEI