8月29日 赤岳コマクサ平までの紅葉状況

 赤岳が紅葉し始めたという情報を得たので行ってみることにしました。
第一花園下(紅葉時には真赤に染まる)の銀泉台斜面は所々ほんのりと色づいています。

第二花園の上の方(紅葉時にいつも赤くなる部分)が赤くなっています。

草紅葉の一番手ウラシマツツジの紅葉はかなり進んでいます。

コマクサ平から見ると、第三雪渓横のウラジロナナカマドも色づいています。

草紅葉もきれいでしたが、第二花園や奥の平には春の花から秋の花までが一緒に咲いていて、登山者もこんなに花が咲いていると思わなかったと喜んでいました。

エゾコザクラ チングルマ
ヨツバシオガマ タカネトウウチソウ
エゾヒメクワガタ エゾツツジ
ナガバキタアザミ 葉が紅葉しているハイオトギリ

こんな風にいろんな花が一緒に咲いていると、どれが何時咲く花なのかわからなくなります。

 私はコマクサ平まで行ったのですが、風が強く、岩にしがみつくようにして写真を撮りました。赤岳の頂上では風速30mぐらいだそうで、白雲小屋に泊まる予定で頂上まで行った人が、先に進むことが出来なくて引き換えしてきました。トムラウシの事故の時の風速と同じぐらいだそうです。今日は体感温度は12〜13℃で、強風で雲が動くので雲間から日も射していたのですが、気温が低く雨風に当たれれば力尽きるのも無理ないと思いました。自然の威力を見極めて行動することが大切だと思います。

 下りの登山口近くでしゃがんで写真を撮っていると、顔の前にお菓子の袋をくわえたキタキツネが音もなく現れました。一瞬私の頭の中で「犬?」。違う違う、キツネ。「お菓子どこから持ってきたの?」と言ったのですが、そのまま私の横をすり抜けて行きました。

銀泉台の登山事務所に着いてそのキツネの話をすると、登山者のザックのファスナーを開けてお菓子を持って行ったとのこと。キツネにお弁当を持っていかれた人もいるそうです。今日会ったキツネは子どもがいるらしく、鳥やネズミなどをくわえて持っていくのをよく見かけるそうです。子育てしているキツネは何とかして食べものを手に入れようと知恵を働かせるのでしょうね。でも、キツネが自然の中で人に頼らないで生きていくためには、私たちの食べものを簡単に彼らに取らせないようにしなければなりません。これは知恵比べですね。
photo&文 KEI