8月31日 お鉢周りの紅葉情報

 朝7時、黒岳7合目で「いってらっしゃい!」とシマリスに見送られて出発。
エゾシマリス


 黒岳斜面でいつも紅葉が目立つのは8合目のヤマブキショウマウラジロナナカマド。毎年決まっていち早く色づきます。

ヤマブキショウマ ウラジロナナカマド

 
招き岩付近は少し赤みがさしたり黄色くなっている程度です。

招き岩付近 9合目斜面


 黒岳頂上に立つと景色は一変、ウラシマツツジは草紅葉始まりましたという感じです。
ポン黒岳はウラシマツツジが多いので更に赤く見えます。

黒岳頂上付近 ポン黒岳岩場

 ここで幸運にもナキウサギを撮っている人がいて、私もかろうじてとらえることが出来ました。
ナキウサギ

 黒岳石室から雲ノ平をお鉢平展望台へ、雲ノ平はチングルマの綿毛が一面に広がっていて、花の時期の様子が思い浮かびます。
雲ノ平

 
 お鉢平の中はまだ紅葉の気配はありませんが、北鎮岳の方へ周ると登山道横にはウラシマツツジが紅葉しています。

お鉢平 北鎮岳へ向かう登山道より

 
 北鎮岳分岐から中岳・間宮岳と進むと、ヒメイワタデの紅葉が見られました。
そして荒井岳・松田岳・北海岳、以上がお鉢周りの山です。北海岳頂上に植物は生えていませんが、少し下るとウラシマツツジが紅葉していて、コケモモ、クロマメノキ、マメヤナギ、ウラジロナナカマドなどが次に控えています。

間宮岳のヒメイワタデ 北海岳のウラシマツツジ

 
 さて秋の山で最も頻繁に見かけた生き物はホシガラスです。ハイマツの実を食べたり、草の実を食べたり、水を飲んでいたホシガラスもいました。

ホシガラス 水を飲んでいます。

 次に多く見かけたのはシマリスです。

餌を探しているところ ウラジロナナカマドの実を食べているところ

 ナキウサギ・キタキツネも忙しそうに餌を探して動き回っては食べていました。松田岳の岩の多いところにゴジュウカラがいました。平地でしか見たことがないのでちょっとびっくりしました。

キタキツネ ゴジュウカラ

 

 お鉢周りこのコースの最後は北海岳です。北海岳を下ると美ヶ原と呼ばれる、北海沢や赤石川が流れている所があります。ここはあちこちに雪渓が残っていて、春の花、エゾノツガザクラアオノツガザクラ・エゾコザクラ・チングルマ・イワヒゲ・ジムカデなどが見られます。そこから100mぐらい離れた所にはチングルマの綿毛や紅葉とともにミヤマリンドウが群生していてここでは秋が感じられます。

エゾ・アオノツガザクラ ミヤマリンドウ


 春から秋を同時に見られる大雪山ですが、表大雪はどこから登っても山の上でつながっていてどの山へでも行けるという他にはない特徴があるので、登山者にとってはいろんな意味で楽しいところです。

 今日は高曇りといって雲が高い所にあるので、曇りではありますが、北海道中の山が見えるのではないかというぐらい遠くの山まできれいに見えました。黒岳7合目からの時間で10時間の行程でした。疲れなかったとは言えませんが、いつ何度登ってもワクワクするような出会いのある大雪山です。

 
 日本の紅葉は黒岳からといわれていますが、今まさにスタートしました。
今日の紅葉おすすめはポン黒岳と北海岳です。
紅葉の大雪山登山計画を立ててみられてはいかがでしょう。
photo&文 KEI