8月6日春夏秋の花が咲いている大雪山
赤岳〜小泉岳〜白雲避難小屋〜赤岳
赤岳に登り始めてすぐ目についたのがコイチヨウラン、今まで気がつかなかった登山口へのアプローチの所に固まって咲いていました。ミヤマホツツジは銀泉台斜面が見えるあたりで咲き始めています。
コイチヨウラン | ミヤマホツツジ |
第一花園は雪が解けチングルマとアオノツガザクラが群生しているので全体の見た目は地味ですが、所々に赤青黄色の花が咲いていて、登山道を歩いている人たちは、お互いに見つけた花の名前を確認ながら楽しんでいました。第二花園は登山道に雪渓はありますが、解けた所に花が咲いています。キバナシャクナゲやエゾコザクラのピンクが鮮やかです。
奥の平には春の花イワウメやミネズオウも咲いています。第三雪渓も雪が残っていますが、この時期ほとんど見ることができないコメバツガザクラが咲いています。
第一花園 | 第二花園 |
白雲岳避難小屋にクモイリンドウが咲いているという情報を得て、赤岳から小泉岳を経由して緑岳手前の分岐から白雲岳避難小屋へ行きました。
赤岳頂上と北鎮岳 | 小泉岳 |
緑岳・遠くにトムラウシ山
小泉岳は花(ホソバウルップソウ・キバナシオガマ・エゾツツジなど山を彩る花)の時期を過ぎていると思って期待していませんでした。ところが鮮やかな青紫のリシリリンドウ・チシマギキョウが目を引き、局所的にはミヤマアズマギク・レブンサイコなどが見られ、遅れ咲き(?)のエゾツツジ・タカネオミナエシ・エゾタカネツメクサなどが随所にあります。何よりも山を埋め尽くすように立っている白っぽい色のヨモギには驚きました。今年はヨモギが豊作(?)だとか。今、小泉岳は地味だけど美しい花畑です。
ヨモギ
白雲避難小屋へ向かう途中には雪渓がかなり残っていて、春の花も咲き始めていて、ハクサンイチゲがたくさん咲いているのが印象的でした。
白雲岳
白雲小屋はおしゃれです。
白雲避難小屋
その小屋の周りには他ではあまり見かけない花や少ない花(クモイリンドウ・クモマタンポポ・ミヤマアズマギクなど)が咲いています。
今日のお目当てのクモイリンドウは・・・ありました。一花だけ咲いていました。蕾が少し膨らんでいるものまだ固いものも沢山ありますので、これから当分登山者を楽しませてくれることでしょう。大雪山のこのあたりの登山者は何故かこの時期になると必ずクモイリンドウを見にやってきます。
クモイリンドウ
白雲小屋から白雲岳の分岐までの登山道には春の花が咲き乱れていて、小泉岳ではもう終わってしまった大雪山のこのあたりの固有種のキバナシオガマに出会ったときは嬉しくなりました。10時間の行程でしたが、花の美しさと思いがけない春の花との出会いに疲れも吹き飛びました。
雪解けの後に咲いた花 | キバナシオガマ |
それに加えて生き物たちとの出会いは癒しになりました。先ず蝶です。一番多く飛んでいたのはコヒオドシです。登山者を先導するようにひらひらと舞っていました。次に多かったのはカラフトルリシジミ、それからダイセツタカネヒカゲ、ほとんどいなくなりましたが、卵を産んでいる様子のウスバキチョウにも出会いました。
コヒオドシ | カラフトルリシジミ |
ダイセツタカネヒカゲ | ウスバキチョウ |
シマリスは山の至るところにいてかわいいしぐさは私たちを楽しませてくれます。また近年あまり見かけなくなったと思っていたナキウサギも時々現れました。
エゾシマリス | ナキウサギ |
大雪山に咲く花は春から夏秋へと変化しながらも、終わったと思われるものが雪ノ下から顔を見せてくれたり、登れば必ずいろいろな楽しみが待っています。花に関してはあまりにも多すぎるので、ホームページに入れてあります。「層雲峡.com」 http://www.sounkyo.com をご覧下さい。
photo&文:KEI